MAGAZINE
INTERVIEW
La.mamaリアルタイムクロニクル vol.6
ー石崎ひゅーいとLa.mamaー
La.mamaは2022年5月で40周年を迎えた。名前の通り、いつのまにか多くのアーティストや関係者にとって、普段意識せずとも心の片隅で安心をもたらしてくれる“母”のような存在だ。〈La.mamaリアルタイムクロニクル〉では「La.mamaで過ぎた時間を振り返り、未来に積み上げていくための特集企画」と称して、アーティスト総勢40組あまりに話を聞いた。中には当時La.mamaで対バンしていたアーティスト同士もいれば、同じステージに立ってみたかった憧れのバンドまで、この場所で生まれた様々な関係性が見える。花が咲き、散っては葉となりまた花が咲く大木のように、今日も休まず文化が芽生え続けているLa.mamaの未来をこれからも臨みたい。だからここで過去を振り返り、その年輪を捉えておこう。記事は12月まで随時更新予定。vol.6では石崎ひゅーいが登場。(text:柴田真希)
La.mamaといえば、何を思い出しますか?
石崎:マンションの一室にある楽屋に、代表の はたのさんが訪れた瞬間です。その時は無言で水槽の魚に餌をやっていました。
La.mamaの楽屋には水槽があるとか……。
石崎:餌をやって、すぐに出ていかれました。存在感、インパクトが凄かったです。今まで何度かLa.mamaに出演させてもらっていますが、はたのさんに遭遇すると背筋がピンとします。
これまで出演された中で特に印象的だったのはいつのライブですか?
石崎:2015年1月25日です。対バンは小山田壮平、藤田リュウジ(ホタルライトヒルズバンド)、 谷口貴洋でした。
皆さん同世代ですか?
石崎:はい、同世代のシンガソングライターやバンドマン、4人で企画した「オリオンと夜の虹」というライブでした。仲間たちとどこかで何かやりたいと思った時に、初めに名前があがったのがLa.mamaでした。
どこが決め手だったのでしょうか。
石崎:箱の作りや、空気感、人。La.mama特有のぬくもりですよね。ライブは、それぞれが弾き語りをして、最後にみんなでセッションしました。“スタンドバイミー”のカバーで僕はなぜかベースを弾いていました。ライブハウスのステージでベースを弾いたのは生まれて初めてで、それくらいとにかく自由な空間でしたね。
何かが生まれる自由さは、La.mamaの魅力ですね。
石崎:青春とまでは言えない年齢かもしれないけれど、そんな言葉すら許容してくれるんですよね。La.mama 40周年、本当におめでとうございます。渋谷の喧騒の中、凛と佇むライブハウス。その姿のまま、これからもずっとずっと僕たちの音楽のそばに居てください。
河野太輔(La.mamaブッキングマネージャー)より
ひゅーいさん、コメントいただきありがとうございます。いろんな形で出ていただいているにも関わらず、まだお話しできていないので、今度ゆっくりお話ししたいです。ひゅーいさんの情景描写、感情の切り取り方がとても好きです。空気感がひしひしと伝わってきます。オリオンと夜の虹の面々が集まると一瞬にして青春というか少年に戻りますよね。ずっとそうしてはいられないのかもしれないけど、La.mamaではそんな時がずっと続けばいいなと思っています。
石崎ひゅーい
1984年3月7日生まれ。茨城県水戸出身。本名。シンガーソングライター。
両親の影響で幼少の時からトム・ウェイツ、デヴィッド・ボウイなどを聴いて育つ。
中学からバンド活動を開始。当初よりヴォーカルを務める。高校卒業後、大学で結成したバンドにてオリジナル曲でのライブ活動を本格化させる。その後は音楽プロデューサーの須藤晃との出会いをきっかけにソロシンガーに転向し、精力的なライブ活動を展開。
2012年7月25日「第三惑星交響曲」でメジャーデビュー。2013年6月にテレビ東京系ドラマ「みんな!エスパーだよ!」のエンディング曲「夜間飛行」を、7月に1stフルアルバム「独立前夜」をリリース。2018年3月に初のベストアルバム「Huwie Best」を発表後、全48公演におよぶ全国弾き語りツアーを実施した。同年12月、菅田将暉への提供曲のセルフカバー「さよならエレジー」を配信リリース。「アズミ・ハルコは行方不明」や「そらのレストラン」といった映画に出演するなど、役者としても活躍している。
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